道の駅などで売っている手作りこんにゃくを食べたことはありますか?
工場で大量生産されているものと違って、こんにゃく芋の風味が感じられておいしいですよね。
でも生芋で作られたこんにゃくは、アク抜きが必要なものが多いと思います。
アク抜き不要のものもありますが、下ごしらえをしてから調理すると、味が染みてぷりぷりとした食感になって絶品ですよ。
アク抜きは面倒に感じてしまいますが、この記事では簡単な方法をご紹介しています。
手作りこんにゃくをおいしくいただくために、ご自身に合った方法を試してみてください。
こんにゃくの切り方3選!
こんにゃくの下ごしらえで最初にやるのは、作りたい料理に合わせてこんにゃくを切ることです。
ここでは、もっともよく使われる切り方を3つご紹介します。
①包丁で切り目を入れる
「隠し包丁」とも言われ、こんにゃくの表面に薄く切り込みを入れ、味を染み込ませやすくする方法です。
おでんなどの煮込み料理や、大きくカットして使う料理に向いていますよ。
まず、こんにゃくの表面に包丁で斜めに細かく切り込みを入れていきます。
この時、深さは2mm程度、間隔は3mm~5mmくらいが目安となります。
最後まで行ったらこんにゃくの向きを変え、同じように切り込みを入れると、格子状になります。
片面が終わったら、裏側にも切り込みを入れていきましょう。
切り込みを入れ終わったら、目的の料理に合わせた形に切って使ってくださいね。
ところで、この隠し包丁、包丁を使わずに手軽にできるやり方があるのです。
それがどの家にもある「フォーク」。
フォークで斜めに掻くようになぞっていくと隠し包丁が入れられるのです。
子供でもできるので、お手伝いとしてやってもらうのも良さそうですね。
次は、100均でも売っている「白髪ねぎカッター」。
細かい切り込みが綺麗に入れられていますね。
手でちぎる
手でちぎると表面の面積が大きくなるので、味が染み込みやすくなります。
わりと短時間で味が染みるので、炒め煮や煮物、豚汁などの汁物に向いています。
ちぎる時は親指をぐっとこんにゃくに食い込ませ、ちぎり取ります。
道具がいらないので、こんにゃくは手でちぎる、という人は多いようですね。
ただ、つるつると手がすべって、やりにくいと感じる人もいるかもしれません。
そのような時は、次のスプーンでちぎる方法を試してみてはいかがでしょうか。
スプーンで取る
こちらも手でちぎる方法と同じで、ちぎった後の表面が凸凹することにより、味が染みやすくなります。
ちぎる時はこんにゃくをまな板の上に置き、片手で押さえ、上からスプーンで削ぐようにちぎり取っていきます。
まな板の上で押さえるので、手でちぎるよりはすべりにくいですよ。
こんにゃくの切り方を3つご紹介しました。
手でちぎるとゴロゴロした形になって、味が付きやすくなり、スプーンの場合は大きさを揃えやすいので、見た目が良くなります。
隠し包丁はざらざらとした食感が味わえるので、お好みに合わせて使い分けてみてください。
手作りこんにゃく アク抜きの簡単な方法!
こんにゃくを切ったら、次はアク抜きをしていきます。
まずは基本のアク抜きの方法をご紹介します。
Step1.塩もみをする
こんにゃく1枚につき、小さじ1/2の塩で軽く塩もみをします。
しばらくすると水分や泡のようなアクが出てきます。生臭さも抜けて味が染み込みやすくなりますよ。
ただし塩分が気になる場合や、濃い味付けをする場合は、この塩もみの工程は省略しても良いでしょう。
塩もみをしたら次に下茹でをしますが、この時こんにゃくの塩は洗い流さなくて大丈夫です。
Step2.下茹でする
鍋にお湯を沸かし、塩のついたこんにゃくを2~3分くらい茹でてざるに上げます。
長く茹ですぎると固くなってしまうので注意してくださいね。
ざるにあげた後は水につけたりせず、そのまま冷まします。
こうして下茹ですることにより、余分な水分が抜けて味が染み込みやすくなり、プリっとした食感になります。
塩もみが面倒な時は下茹でするだけでも、ある程度アクと余分な水分が抜けておいしく仕上がります。
下茹でも面倒な時は、こんにゃくに熱湯をまわしかけるという方法もあるようです。
ただし、表面にお湯をかけるだけなので、ぬめりや若干の臭いを取ることはできても、アクや余分な水分を抜くところまでは期待できないかもしれません。
そこで、上記以外にアク抜きができる簡単な方法もご紹介していきます。
手作りこんにゃくの塩もみのアク抜きの方法
火を使いたくない、お湯を沸かすのが面倒、という時は、塩もみだけでアク抜きをすることができます。
方法はとても簡単です。
こんにゃくを料理に合わせた形に切り、こんにゃく1枚に対して小さじ2~3の塩で水分が出てくるまでもみこみ、水で洗い流すだけ。
塩分でこんにゃくの水分が抜けて味が染み込みやすくなるとともに、臭みを取ることができます。
ただし、塩もみをするとこんにゃくに塩味がつきます。
気になる場合は、こんにゃく全体に塩をふりかけて5分程度おく、という方法もあります。
これだけでもある程度の臭みは取れますよ。
短時間でできますので、時間がない時には便利なやり方ですね。
手作りこんにゃくの電子レンジを使ったアク抜きの方法
続いて、電子レンジを使ったアク抜きの方法をご紹介します。
レンジでチンするだけなので、とっても簡単です。
まず、こんにゃくをさっと水で洗い、料理に合わせた形に切っておきます。
耐熱容器に入れてふんわりとラップをしてレンジに入れ、こんにゃく100gに対して600Wで2分くらいを目安に加熱します。
加熱後はざるにあげて軽く水で洗い流した後、水気を切ってから料理に使いましょう。
もう少ししっかりアク抜きをしたい場合は、レンジにかける前に塩もみをすると良いですよ。
私も実際にやってみましたが、余分な水分が抜けて、柔らかくプリっとした食感になりました。
見出し⑤手作りこんにゃくはアク抜きが必要な理由は?
ところで、こんにゃくはどうしてアク抜きが必要なのでしょうか。
その理由が分かると、面倒だったアク抜きも、少し丁寧にやってみようかなあという気持ちになるかもしれません。
こんにゃくのアクの原因は、原料のこんにゃく芋に含まれるシュウ酸カルシウムと、凝固剤の水酸化カルシウムです。どちらもえぐみを生じさせる元となっています。
更にこんにゃく芋には独特な臭みもあるので、アクを抜かないで使うと、臭みとえぐみが残って料理の味を損なうことになってしまいます。
つまり、アク抜きの目的は「臭みとえぐみを取り除き、食べやすくする」ことにあるのです。
ではスーパーで見かける「あく抜きこんにゃく」は、なぜアクを抜く必要がないのでしょうか。
それはこんにゃくの製法に秘密がありました。
原料のこんにゃく芋が生の芋ではなく、乾燥させて粉末にしたこんにゃく粉を使っている場合、製造過程である程度のアクが取り除かれています。
また、凝固剤に水酸化カルシウムではなく、ホタテの貝殻から作られた貝殻焼成カルシウムを使っている場合は、臭みが少ないと言われています。
また、材料を混ぜた後の工程で、お湯につけて煮上げるような製法をとっている場合は、お湯の中でアクが抜けるため、アク抜き不要のこんにゃくができあがります。
つまり、原料と製法の違いによって、アク抜きが必要なこんにゃくとアク抜きが不要なこんにゃくに分かれる、ということになります。
手作りこんにゃくは生のこんにゃく芋をすりおろして作られたものが多いと思いますが、製法によってはアク抜きが不要なものもあります。
生芋を使った手作りこんにゃくは、こんにゃく芋の味と風味が感じられて、とてもおいしいものです。
手作りこんにゃくが手に入った時は、丁寧に下ごしらえをして、その風味を味わいたいですね。
手作りこんにゃく アク抜き(下ごしらえ)の方法!ゆで時間はどれくらい?まとめ
こんにゃくのアク抜きが必要な理由とその方法について解説しました。
アク抜きが必要な理由
・臭みとえぐみを取り除いて食べやすくする
・余分な水分を抜くことで、味の染み込みと食感を良くする
下ごしらえの方法
・丁寧にアク抜きする場合は、塩もみをしてお湯で茹でる
・簡単に済ませたい場合は、塩もみのみ、電子レンジでチン、という方法もある
私もアク抜きが面倒で、アク抜き不要のこんにゃくを水洗いだけで調理していました。
しかし今回ご紹介した方法でアク抜きをしてみたところ、気になっていた臭みもなく、食感も良くなって、本当においしく食べることができました。
手作りこんにゃくをさらにおいしくいただくために、電子レンジでチン、だけでも良いのでアク抜きをして食べてみてくださいね。